top of page

コロナ禍始まって以来の混乱 in 日本

コロナ禍が始まり3年弱

ワクチン接種も進み、一旦終息しかかっているのか???と思ったら

この第7波に。

この第7波を抑えることができたのか?と問われると、絶対にできなかったのだろうと思います。

もちろんその波の高さを抑えることは可能であったかもしれません。

そのためには強力な行動制限や、緊急事態宣言とも言えるような極端なことをすることが必要であったのだろうと。

じゃあそれをしたからと言って終わりがあるのかと言われると

終わりはなさそうです。

ワクチン接種をすることで、つまり健常者で3回、高齢者や基礎疾患などがある方で4回セットで一応重症化予防などの抑制効果は一定以上担保されていそうです。

ただ感染ということに関してはBA5は感染力が強く、広がりやすく、物凄い人数の感染者を作ってしまうという特徴があります。

そうするとどうしても重症化が絶対に防げるわけではありませんし、また未接種者は一定数いますのでその方達の重症化はデルタ株などに比べると少しマシなだけで

急変して亡くなるという事態も出てきます。

日本のベッド数が限られているという話はよくネットなどでも話題になっていますが

例えベッドがあったとしてもその患者さんたちを診療・看護する医療従事者の数には限りがあるので、結局はベッド数が極端に少ないから医療現場が混乱しているとかということではないと思います。

諸外国がすごい体制が整っているのか?と言われると、それについての答えは否です。

先進諸国と言われているアメリカでも医療アクセスは一部の裕福な人のみが良好であり一般の多くの方はドラッグストアで済ましていることが多いですし

医療費が完全無料のイギリスなども、無料ではありますが医療アクセスへの時間が日本と比べると無限に近いことなど有名なお話です。

そういった意味では日本はまだマシな方ではあります。

こんな感染症に対して混乱状態を招く事なく対処できている国など一つもないのであろうと思います。

ゼロコロナを謳っている中国は人の行動を完全に停止してしまうような強制力を持って

対コロナ政策をとっていますし

西欧諸国ではマスクを外して生活をし、コロナ感染と共存しようとしています(私個人的には時期尚早と思います)

何が正解なのかわかりませんが、少なくとも皆コロナ感染というリスクを抱えながら生きていることだけは間違いはありません。

1度感染したら終わるわけではなく、何度も感染することで短命になる可能性も示唆されたりすることを考えると、なるだけ感染しないように行動した方が賢明でしょう。

また特にこんな時期に感染してしまうと、非常にしんどくても薬すらもらえないとか、飲食・飲水すらできないような咽頭痛であっても点滴などもしてもらえないとか、そういう事態が起こり得ます。

なので流行してきたな・・と思ったら、誰が何を言おうと、国がどう言おうと、周りがどう振る舞おうと、自分自身は行動制限をしたほうが賢明だと思います。

とりあえず自分はかからないように行動する。

せめて自分の身を守る行動をとりこの難局を乗り切って欲しいです。


守山市は比較的医療機関の数が多いのですが、それでもみなさん朝から電話をかけ続けて、どこの医療機関でも断られるということが続いております。

私のところでも9時から受付を開始しておりますが、病院到着し準備をしている時から8時過ぎでももうすでに電話は鳴り続けております。

人数を決めて発熱の方を診療しておりますが、あっという間にその人数に達します。

それでも通院中の方で持病があるような方、高齢者で状態観察が必ず必要な方などは枠外であっても受付をさせていただいております。

それでもその数には限りがあります。


お盆休みは8月11日からとしているところも多いので

当クリニックでも、8月10日の夜診は色々な訴えの患者様がたくさん来られました。

コロナ禍、猛暑もあり、体調不良の方が溢れかえっています。

医療従事者のみならず全ての人がこの過酷な環境に疲弊しています。

屋外で労働しないといけない方々など、どれほど大変な毎日であろうかと思います。


病院、高齢者施設では多数の感染者が出て日常診療や日常の介護が行いにくいところがたくさん出ています。

この現状の原因は、コロナ禍3年目にして気を抜いたからというわけではなく

それだけ感染力の強い新型コロナという感染症であるということ。

日本だけではなく世界中で同様の波を経験しながら今をむかえているということ。

諸外国でも決してこれが終わりではなく、終息も何もしているというわけではないこと。

私たちの前に立ちはだかるこの敵はやっつけるということはまだまだ難しそうです。


30年近い医者の経験から、このウイルスは奇妙な何とも嫌らしいものであり

できればかからないで済むのであればそれが1番だろうと思います。

それでもそこをすり抜けて感染するという特徴がある以上、いずれはかかるのかもしれません。でも、、

もう少し確固たる対処法が出てくるまではできるだけ感染しないように踏ん張りたいし

皆様にも踏ん張ってほしいと思います。



風邪症状があったら、小児では約半分。成人ではほぼ全てがコロナ感染では?という感触です。

コロナウイルスはじめ、ウイルス感染症には通常特効薬はありません。

ヘルペスウイルス・インフルエンザウイルスなどはむしろ特効薬があるのが珍しいと考えてください。

ですので、自然に治るのを待つしかありません。

そして大半の方は自然に治ります。

でも不幸にも急激に悪化して亡くなる方がおられます。

それを予測することはどうも困難なようです。

ただ統計から見ていると、乳幼児で亡くなるケースは稀ですが亡くなる場合は脳症であることは確実なようです。

小児や20歳未満でも稀ですが時に全身での感染がひどくなり重篤な状態になることも知られています。ただし20歳未満では致死率は非常に低いので極端に怖がらず

風邪をひいた時と同様の対応。安静にして水分をしっかり摂って静養するという方法で療養してください。

20歳以上では、やはりワクチン未接種であることというのは重症化のリスクが高くなりますので要注意です。

それから高度肥満・喫煙などは重篤化するよく知られた悪化因子です。

自宅で療養中に急変して亡くなっているケースはほぼ血管性のイベントであろうと思われます。

やはり血栓がどこかにでき、肺動脈や冠動脈などで血栓ができそこが詰まると一気に命を落としてしまう原因になります。

脳血管が詰まっても意識障害や運動障害などはあっても心肺停止になることは普通ありませんので、頭であれば血管が炎症などで破れてしまうとくも膜下出血という形であっという間に心肺停止ということはありえます。

呼吸不全で一瞬で心肺停止になることは比較的若年の20歳代から50歳代くらいまでは考えにくいので、上記血管性のイベントが急死の1番の原因かと考えます。


また飲酒も血管の炎症をきたす原因にもなりますので

やはりこの時代、なるだけ健康的な生活をして日々過ごしていくのが平穏に生きていける1番のコツかなと考えます。


今までの経験上からのお話です。

新型コロナで肺炎をきたし入院となった方の多くはワクチン未接種者でした。入院はいずれも比較的長く退院後も後遺症がしばらく続いておられました。ワクチン接種をしていて肺炎になった方は2名おられましたが基礎疾患があり免疫不全がある状態でした。ただしワクチンは2回あるいは3回接種済みでした。比較的良好な経過で元気になられて退院されました。

この3年間で私が関わった患者様、また自分が担当している方で新型コロナで亡くなった方は一人もおられません。

これは新型コロナなんて怖くないよという話ではなくて

やはり今までの感染症と違いあっという間に肺炎になったりする稀な感染症であることは間違いないこと。

ワクチン未接種である場合はその程度がひどく重症化しやすい印象は間違いなさそうであること。

ワクチン接種をしていても免疫不全などがあればやはり中等症以上になってしまう感染症であること。

医療アクセスが良く、適切に治療ができれば救命できる事が多いこと。

以上がわたくしの経験からお伝えしておきたかった事になります。


どうか皆様お体を大切に、色々な策を講じながらご自分やご家族をこの腹立たしいウイルスから守ってください。

そしてかかった時は、過度に怖がらずにゆっくり療養をして治してください。

そしてなるだけ複数回かからないように気をつけてください。










閲覧数:78回0件のコメント

最新記事

すべて表示

令和6年1月初旬の発熱外来の状況

昨年の令和5年1月1日に発熱外来をさせていただいた時には、わずか3時間程度で40名近い患者さんから連絡があり、ほぼ全ての人が新型コロナに感染しておられました。 今年は新型コロナ感染症への警戒感も徐々に薄れて来られ、重症化する方も数年前と比較すると減少したこともあり発熱外来を年末年始にオープンすることなく6日間のお休みをいただきました。 そして1月4日から通常外来を始めさせていただき、3日間の診察を

令和5年12月で~~発熱の方がどんどん増えてきています

11月中旬頃までは新型コロナの新規感染者は数日に1件から2件ある程度であったのが、11月末からまた増加傾向です。 インフルエンザは8月ころから増え始め未だ減少の気配がなく毎日のようにA型の方が多く来られます。 インフルエンザA型は学生さんの間で流行しており、その親御さんが一緒に感染されるという感じで、ご高齢の方でインフルエンザの方は少ないように思います。 ただコロナ感染は確実に増加傾向。今回はさす

糖尿病薬のあやまった使用法

最近どんどん認可されている糖尿病薬で、体重を落としながら血糖を下げていくものが ネットなどでも話題になっています。 アメリカでは肥満の治療にも使われたりするので 確かに糖尿病じゃない人に使うのが絶対に危険というわけではないのです。 ただ日本ではまだ糖尿病患者様にしか認可されていませんし そもそもアメリカの高度肥満と日本人の考える肥満とは次元が違う話です。 でも女性の「痩せたい!!」願望につけ込んだ

new07 (1).gif
bottom of page