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2023年1月1日の発熱外来から仕事始めです

執筆者の写真: 尾柳知佐子尾柳知佐子

毎年寒くなってくるとどうしても感染症が増えます。特に寒波がやってくるこの年末年始は

インフルエンザの大流行期に当たることも多いのですが・・。

今はコロナ感染です。

それに今回はインフルエンザも流行に入ってきているので病院全体がお休みに入ってしまうとみなさまが大変な思いをされることになるからと

全国的に各自治体から、病院や診療所などに年末年始の発熱外来を開設するようにとのお願いベースでの要請がございました。


わたくしの所は、1月1日の午後に発熱外来をすることとしておりました。

午後2時から5時までということでのアナウンスをしておりましたので

12時過ぎくらいから、クリニックで準備を始めておりますと

電話がすでに鳴り始めておりました。1時くらいから電話での受付を開始し

お電話で症状などを聴取し、その後ほぼすぐに駐車場まで向かっていただき

車の中におられる患者様に今の状態などを聴取しながら、インフルエンザとコロナ抗原の同時検査を行いました。

30名近い方が来院され9割近い方が陽性でした。

陰性者のお一人は風邪症状はあるものの、既に陰性化したであろう方(家族の他のメンバーがどんどんと陽性化していったことから判断するに)、もう一人はワクチン2回接種後コロナ感染しその後ワクチン接種を10月に(オミクロン対応)受けた方で、発熱と頭痛があるもののインフルエンザもコロナ抗原も検出せず(例外はありますが、ワクチン接種者がオミクロン感染を2度することは非常に少ないので)、ご本人にはPCRをしないと確定的ではないがオミクロンに2回かかることは非常に少ない事をお伝えして解熱剤などを処方し帰宅していただく。

そして3人目はインフルエンザA型でした。当院では今季に入ってから3例目のインフルエンザの感染確認となりました。


電話はずっと鳴りっぱなしで、受付、検査、検査結果説明、陽性者への療養生活の指導説明、必要と判断した方で同意された方には新しい抗ウイルス薬処方、その他の対症療法薬処方、薬剤師さんからの説明などを全て車中におられる患者様や家族様にご説明し帰宅されるという流れでした。


当院にかかっておられる方が来院されるのではないか?と思っておりましたが

ほとんどは新規の患者様でした。

皆様、いろいろな情報から医療機関にお電話をして来られた方々でした。


発熱外来に来られる方には、いつからその症状があるのか、周りには陽性者がおられるのか、今の状態は病院に来院できる程度の状態であるのか(救急車要請などは必要でないのか)、そしてワクチン接種を何回されているのかを伺います。


統計的にはワクチンを3回以上接種している方の重症化率はかなり低くなりますのでまずは3回接種をされていて基礎疾患もなく症状も通常の感冒からインフルエンザ程度であれば対症療法としています。

ワクチンを4回から5回(オミクロン株まで)接種されている方は比較的症状は軽く

高齢者であっても発熱も微熱程度の方が多いため基礎疾患が少しあっても対症療法で行くことが多いのですが

通常診療をしていて、呼吸器の感染を起こしやすく喘息のようになられる方や、今まで血管障害などの病気にかかられた方、また喫煙者、肥満の方など

何か医者としての経験的な印象で、ラゲブリオ、パキロビッド、ゾコーバなどの投薬を患者様におすすめし、同意が得られれば処方をしております。


ただ1月1日に来院された方で、酸素飽和度が悪かったり重症感が強く入院が必要な方はお一人もおられませんでした。

ただ感染をしてからどんどんと症状が加わっていくこともありますので、その時点でもって大丈夫ということは言えず、その事はお伝えして帰宅していただきました。


2〜3割の方は自分で抗原検査キットで検査をしていて陰性だったと来院されましたが

やはり鼻咽頭奥まで綿棒を入れて検査をすると陽性となりますので

たまたま鼻水等にたくさんウイルスが排出されている場合は浅い検査でも陽性となりますがそうでない場合は陽性とはならず

結局陰性だからと言って大丈夫ということは言えないという事です(陽性が出たら間違いなく陽性ですが)


感染爆発が起きてくると必ず、高齢者施設・病院内でのクラスターが出てきます。

年末から各所でそう言った事を耳にしておりましたので今しばらくはまだ波は続きそうです。

できる事ならこのままおさまって欲しいところですが、中国の今まさに感染爆発を抱えながらの行動制限解除という中国の決定に、世界が懸念を持っています。

中国ではmRNAではないワクチン接種の上に、ゼロコロナ政策も重なり、14億の国民の大半がコロナに対する免疫を持っていないことから

一気にオミクロンやらデルタやらあるいは武漢で始まった肺炎やらが流行しているようです。

一気に流行すれば医療崩壊が起こりますので、残念ながら死亡者もより増えてしまいます。

この方達が春節を迎えて中国中、そして世界中を移動しようとされています。

3年前に武漢から始まったコロナ、そして3年の時を経てようやく皆が痛み分けをしながら少しずつコロナに対する免疫を獲得してきた世界を再び違うコロナ禍に巻き込むことだけはしてほしくないと医療者として切に中国には願いたいです。


どうか皆様ご自愛なさって

平和な一年をお過ごしください。






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