しばしば話題に上る2類から5類
要するにコロナをインフルエンザと同等に扱うという話です。
コロナ前のインフルエンザ患者はどう扱われていたのか?
風邪症状があるとまず開業医に。そしてそこでインフルエンザと診断されると
大体抗インフルエンザ薬が処方されて自宅療養というのが大筋です。
じゃあ高熱を出して飲水も出来ないような方、入院して点滴をしてもらった方がいいような方はどうなっていたのか?
答えは『ほぼ入院はできなかった』です。
インフルエンザの患者さんが病棟に入院されると感染が広がってしまうため
病院は断ります。
よっぽど重症の方なら入院となりますが、隔離が必要となります。ただ隔離をしても公費にはならず病院側の負担になるためできる限り早急の退院をしていただかないと病院側が赤字経営となるような仕組みです。
なのでインフルエンザになると鉄則は自宅で療養することでした。
ただインフルエンザには抗ウイルス薬があったり、又コロナ感染ほどの重症化はないため、実際にそのことが社会問題になることはなかったわけです。
要するに自宅療養中にどんどん亡くなるような病気ではないインフルエンザと
自宅療養中に前触れもなくあっという間になくなってしまう事があるような新型コロナを
同じ扱いに・・と言うわけです。
一体それを同じにするとどうなるのでしょうか?
まず開業医は大混乱でしょう。
全ての発熱をコロナ前のように他患者さんと同様に診察するわけにはいきません。
今までと同様の体制を敷かないといけません。
それでコロナと診断されても今まで以上に自宅療養が鉄則となります。なぜなら
病院はできる限りコロナ患者さんを受け入れないように今以上になっていきますから。
自宅療養の患者さんが大きく増え、その方達の点滴治療などを開業医が行うということは困難です。
クリニック内に隔離施設を設けているような特殊な所を除いて
一般のクリニックで患者さんを診断以外に治療すると言うことは不可能です。
抗コロナ薬のラゲブリオも5日間内服して9万円という価格です。
それの3割負担となりますので、とにかくコロナ感染した際の診断費、治療費などは非常に高額になります。
それで、起こってくるのは受診抑制をして普通の風邪として振る舞う方が増えてくるのではないか?と言うことです。
コロナか何かわからないけど、届け出の義務もないし、隔離の義務もないから
薬局で風邪薬を飲んで終わらせる。
その方がまた別の方に感染させる。
病院は入院時に検査をしてコロナ陽性であれば入院は拒否するという
今よりかなり国民にとっては大災害級のコロナ禍となってしまうでしょう。
医療費を抑制したい議員がそれを主張するのはある意味気持ちはわかります。
だって国はコロナを手放せるのですから。
今公費として負っている膨大な診断費や治療費も無くなります。
それを国民が1割から3割負担する。そして受け入れ病院にコロナ特別手当などは支払われない。
とりあえず現状のコロナ感染の実態を見る限り、インフルエンザとは全くもって違う疾患であり、結核と同等に扱うべきなのでは?と思います。
議員が5類に主張するのはまだわかるのですが、一般の方々がそれを主張するのは
どうしてなのか?
医療の実態をやっぱりご存じないんだろうな・・と。
5類への討議は時期尚早かと思います。
第7波で終わるとも限らない、今後さらなる変異が起こらないとも限らない。
治療薬についてもまだ不十分であり、日々救急搬送できないで亡くなる方も増えてきています。
これが最悪と思っていると痛い目に遭うのかもしれません。
第8波はもっと悪化していることもあり得るからです。
今はそんな論議ではなくて、いかに感染をコントロールして、助けられるべき命を救うか。
そこに集中すべき時です。
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