終わりの見えない新型コロナ感染症

新型コロナが中国で報告されてからもう1年以上になります。

ダイアモンドプリンセス号に始まり、その後学校一斉休校や緊急事態宣言、、そしてgo to問題など様々な未曾有の事を経験しながら今に至ります。

果たして新型コロナは単なる風邪なのか?

流石にそう信じる人は減ってきているとは思いますが、まだまだ感染者の絶対数が少ないために医療従事者ですら未だに新型コロナ感染の患者様を診察したことがない人がたくさんおられるだろうと思います。


私自身も開業医という立場から新型コロナ感染症の有症状の患者様の治療に当たることはできないため、医師仲間からや文献ベースでしかその実態を知ることはできません。


ただ1年以上経ち言えるのは「やっぱり未だかつてない怖くて厄介な感染症」ということです。

感染力はインフルエンザよりははるかに強力で、大人になればなるほどその症状は厄介でウイルス排出量も多いのではないか。

家庭内で誰かがかかればほぼ家族全員がかかってしまうであろうその感染力

飛沫感染、飛沫が物についてそこから手を介して起こる接触感染、そしてある一定条件でおそらくほぼ確実に起こり得る空気感染。

インフルエンザよりも少量のウイルス量で感染が成立し、そしてそのウイルスの活性が体内から排出された後も長時間続くことからヒトー物ーヒトという図式で独特な蔓延の仕方をするものと推定できます。

やっぱり三密を避けて手洗いの徹底をとしか言えません。

当初から言われていたこの予防法は絶対とは言えないまでも、これしかないように思います。

ですので当院では当初から変わらず徹底的な換気を行っております。

クリニックを建築したのは10年以上前。こういった感染症を想定しておらず、結局のところ窓という窓を全開にすること以外に方法がありません。

この4月からクリニックから徒歩10分程度のより駅に近いビルの2階に分院を開設しますが、そこの換気システムは感染病棟レベルの装置をつけました。

また発熱患者様を診察するのにあたり、診察室からの排気が屋外に放出されるように設計を行いました。

ただ、だから絶対に大丈夫という事がないのがこの感染症。とにかくソーシャルディスタンスや手洗いの徹底は当分の間は怠らないことが大切かと思います。


話が逸れましたが、この1年間で新型コロナの患者様を全く診療しなかったのかといいますと少人数ではありますが、PCR検査にまわっていただいて結果的に陽性であった方が極僅かですがおられます。

またかかりつけで来られていた方がコロナ感染症で職場や家庭内感染などで入院や自宅療養などになっておられた方も少数ですがおられます。


わずかな人数ですが、その後の経過、患者様本人への聞き取りなどをしながら、新型コロナ感染の実態をなるだけ正確に把握しようと努めています。

私が知り得る範囲では若い方は熱だけだったり、非常に軽い風邪症状のみで陽性だったこともあります。必ずしも匂いがわからないという事が当てはまるわけではないように思います。

またインフルエンザと全く似たような経過で短期間の入院で回復された方

中等症の肺炎を起こし酸素吸入までされましたが、その後回復された方。

30歳以下の方では軽い風邪程度の症状である傾向があり、40歳前後くらいから有症状となるような印象です。また症状が出るのは男性にやや多い印象もあります。

ただお一人だけ無症状者として自宅療養をされていた高齢者が、念のため撮影した胸部CTで多発性の肺炎を起こしておられたということがありました。

高熱・咽頭痛・咳嗽などが全くない状態で、胸部CTも初めての撮影ですのでずっと以前からあったものの可能性は否定はできませんが、画像上はいわゆる新型コロナウイルスによる肺炎と言われているような多発性の間質性の陰影でした。

こういった事象を見ていきますと、本当に侮れない病気であることは間違いありません。

その無症状高齢者はたまたま重症化はしませんでしたが、一定以上の年齢の方であれば、いつ誰が重症化してもおかしくはないんだなと思い知らされました。


なので、未だに外来では「同居しない人との食事はやめてください」「顔を触る時は絶対に手は洗うかアルコール消毒をしてください」「密室で他人と過ごすことはやめてください」

と口を酸っぱくしてお話ししています。