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執筆者の写真尾柳知佐子

糖尿病薬のあやまった使用法

最近どんどん認可されている糖尿病薬で、体重を落としながら血糖を下げていくものが

ネットなどでも話題になっています。

アメリカでは肥満の治療にも使われたりするので

確かに糖尿病じゃない人に使うのが絶対に危険というわけではないのです。

ただ日本ではまだ糖尿病患者様にしか認可されていませんし

そもそもアメリカの高度肥満と日本人の考える肥満とは次元が違う話です。


でも女性の「痩せたい!!」願望につけ込んだ、美容クリニックが展開されつつあるようです。

先日、発熱で来院された若い女性が、非常に体調がお悪そうでした。

感染症で体調が悪いのではなく、現在服用中の薬のせいで体調が悪いのだということをお話しされたので、現在飲んでいる薬が列記してある紙(薬手帳のようなものだと思います)を見せていただきました。

そこで大量の排便を促すような漢方薬や日本では未認可の下剤、そして糖尿病薬が複数個が処方されていました。

わたしは驚き、「糖尿病なんですか?」とお聞きすると

「違うんです・・」と。

その薬の紙に印字されているところに、クリニックの名前が・・・。

ダイエットを専門に扱うクリニックとわかるような名前でした。

処方前にどのような状態であるのか、耐糖能、肝機能、腎機能など、、評価したのでしょうか?

女性ならピルを飲んでいるのか、喫煙歴など色々なことを確認しているのでしょうか?

あれだけ大量の薬が一度に処方されたという事実に衝撃を受けました。

痩せるという目的の前に体調を崩したり、最悪命の危険などもあるかもしれないと感じる

恐ろしい処方でした。

医者になってまもない研修を受けていない医師の処方かと思い

ホームページを見てみましたが、処方したであろう医師は10年以上の経歴があるようで、再び驚きました。


患者様には、直ちに全ての服用をやめるように指導。

ダイエットをこのような形で行うことは非常に危険であることを伝えました。

お聞きしていると、薬の処方のみならず、脂肪溶解注射を腹部に大量にうたれたりもしたようで、腹部が痛くてしょうがないということも言ってました。

脂肪溶解注射は腹部の脂肪を取るにはあまりにもコスパも悪く

危険な内服治療と合わせて同時に行うようなものではないことを伝えました。


最近ちらほら、新しい糖尿病薬の不適切な処方で体調を崩して来院される方がいらっしゃいます。

ただそれがどんどんエスカレートしていきそうで、非常に不気味です。

医者としての良識が宇宙の遙彼方に吹っ飛んでいったような、、そんなことが営利目的で行われているのかと残念でなりません。

もちろん自由診療で行うのにあたり、営利を求めるななんて野暮なことを言うつもりはありません。

今回のような処方については、危険以外の何物でもないということ。痩せるという目的が達せないばかりか命の危険すらあるかもしれないということ。

医者がそのようなレベルの知識で決して処方するものではないということ。

表現は悪いですが、このような医療行為は医療行為とは言い難く詐欺に相当する行為だと感じました。

あくまで、患者様からのワンサイドの聞き取りですので

その医師に確認したわけではありません。だから詐欺行為とまで言うのは言い過ぎなのかもしれませんが。


とにかく医者が処方するからと言って、自由診療での処方には何か問題が起きたからといって保障があるわけではありません。

あくまで自己責任です。

どうかどうか注意してください。



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