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執筆者の写真尾柳知佐子

新型コロナの現況(令和5年7月下旬時点)


7月連休開けの18日から様相が変わりました。

朝から発熱の電話は鳴り止まず、それ以来毎日たくさんの発熱の方が発熱外来に来院されるようになりました。

そしてその陽性率は多いときで8割近く、少なくとも5割は越える陽性率が続いています。

最初は高校生が多かったのですが、最近は50歳台の感染者も増えてきました。


高校生以下の場合たいていは高熱、インフルエンザ様の症状で来院されます。そして検査をするとほぼすべてに近い方でコロナ陽性と出ます。

中にはインフルエンザA型などがおられますが少数です。


70歳台以上の方も家族からか、あるいは感染経路不明でかかってこられますが

一様に発熱の程度は低く、通常の風邪と変わらない感じの方が多いです。

ですので「コロナ感染です」とお伝えすると、そういう軽い症状の方は一様に驚かれます。


ただ70歳以上であっても高熱になられる事はありますので、決して全員がそうであるというわけではなく、あくまで傾向としてそんな印象があるという程度でお考え下さい。


ここ最近は圧倒的に陽性者が50歳台の方々に多く、ほぼどの方も初感染であり、ワクチン接種は多くの方は3回。

オミクロン株対応まで打たれている方は1割から2割程度です。

オミクロン株対応をうたれているから、症状が軽いという印象を持つ場合もあれば、やはりうたれていてもそれなりに高熱がでるな・・という方もいたりで

このあたりははっきりしません。


高校生はほとんどが2回接種から未接種。時に4回接種やオミクロン対応株を含めて3回接種の方もおられます。

ただ症状にそれほどの差はないように思います。

ただし、3回以上感染される方はほぼ未接種あるいは2回接種までの方であるというのが当院での現段階での事実です。


2回以上感染されるケースでは

割合的には初回よりも2回目以降の方が後遺障害が長く残る方が多いという印象を持ちます。

頭痛(ブレインフォグ)、息苦しさ、めまい感、倦怠感など。

ただしそうではない方もおられます。


デルタ株に感染した方は、やはりオミクロンへの免疫力はほぼないのか、

デルタ株、そしてオミクロン株の感染はよく見かけます(ワクチン接種が2回までの方)

またオミクロンの複数回感染はほぼ未接種、2回から3回までの方が大半です。

ただしオミクロン株対応ワクチンをうっていても少数ですが、オミクロンに2回感染されることもありますので、とにかく免疫を獲得しにくいウイルス感染症であり、またワクチンであるのだろうと考えられます。


症状については

発熱外来で診療している限りは、ほぼすべての方で軽症です。

ただあくまでも軽症というのは入院措置の必要がないという意味であり

40度台の高熱が続いていても、酸素飽和度が低くならず、意識があり

飲水ができていれば軽症であるという判断です。(そこは一般の皆様の軽症という概念との解離がありますのでご注意ください)

ただわたくしが担当する患者様で、ねたきりに近い方は数名入院になっております。

やはりねたきりに近い方は同時に誤嚥性肺炎を合併したりする確率が高く入院まで行ってしまうように思います。


そしてもう一点、ご注意いただきたいのは

「簡単には入院できない」ということです。

入院・あるいは宿泊料用施設についてもその基準が厳しく、少々酸素飽和度が下がっているくらいでは入院措置をしていただけないという患者様の事例もあります。

入院を受け入れ出すときりがないということが背景にあるのでしょう。

やはり、息苦しく食事もとれないのに自宅で過ごすというのは不安にもなるでしょうし

おつらいと思いますので

どうかできるだけこういう感染の波が来ているときこそ、なるだけ個人個人はかからないようにご注意ください。

かかってしんどい思いをされるのは御本人になります。

特効薬があるわけではありませんので、どうか気をつけてお過ごし下さい。

しばらくこの波は続くでしょうから、あえて感染が起りそうなところには積極的には出向かず、なんとなくいやだなと思われる状況ではマスクをされるのが無難かと思います。



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