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執筆者の写真尾柳知佐子

コロナの終息はいつになるのか

コロナ禍となりもう3年近く、今までで最大の波が来ています。

第7波です。


第6波ではかなりの方が感染し、累計900万人くらいでしょうかが感染報告されています。

実際はそれの2倍程度はいらっしゃるのかもしれません。

感染者が1割程度でそこにワクチン効果があったのか

6波が引いていったように見えました。

オミクロンの感染防御にはワクチン効果は半分程度しかないにもかかわらず終息傾向だったので

実際に感染した方とワクチン接種の相乗効果で終息していくかに見えました。


でも今回は第6波以上の波が来ています。

BA1から2とより感染力を増し、さらにBA5という更なる感染力を増した株が

今回の第7波の感染者の実態ですが、

第6波で感染した方でワクチン接種をしている場合にはたとえ発熱で来院されても新型コロナは陰性であることが100%です(今の所)要するにワクチン接種をしていたらオミクロンには2度かかりにくそうです。


ただし,未接種者は別です。第6波でオミクロンに1度かかっても再び2度目の感染をして来られます。要するにワクチン接種による免疫獲得がないとオミクロンに1回かかったくらいでは免疫獲得ができず結局何度でもオミクロンにかかることは事実のようです。そして同様の事は以前からイギリスなどのデータから示されていました。

こういった複数回かかる方々の死亡率が短期間で見ても2倍程度になることをアメリカが警告しております。死亡率のみならずかなり重篤な疾患にかかる率も2倍程度に跳ね上がっています。

未接種者には様々な理由がおありでしょうが,現場の開業医が肌で感じる未接種者への懸念をどうか素直に受け取ってほしいと思います。接種をできれば考えていただきたいと思います。


高齢者はワクチン接種が進んでおり4回済みの方までいらっしゃいます。それでも感染はされていますが,今までのところ外来で遭遇する方はほぼ軽症者で,乳幼児・若年者・青壮年期の方の方がインフルエンザ様の高熱を出されるケースが圧倒的に多いです。


さらに懸念されるのが乳幼児の重症化が最初のアルファ株そしてあの怖いデルタ株などよりかなり増えているのです。

この第7波では非常に高熱になる子の話を現場でも聞きます。高熱をきたすインフルエンザと同様にそれは脳炎発症,熱性痙攣の確率などが非常に増えるという意味で、そして実際にかなり増えている様子です。ここはだいぶ以前から子供へ感染しやすくなった場合にワクチン接種をしていない子供で重症化が以前よりも高頻度に起こるのではないのか?と個人的に心配しておりましたので、実際に今乳幼児の重症化が増えているという報告を聞いて胸が痛みます。


これはあくまでも現場にいての感想ですが、ワクチン接種+実際に感染すること

がより感染しにくい状態にはなるようです。

ただし、デルタ株に感染した方ではたとえワクチン接種をしていてもオミクロンに対する免疫獲得が弱く、デルタに引き続いてオミクロンに感染するケースには遭遇しています。(ワウチン接種をしていてもです)


結局のところワクチンだけでは免疫獲得は今の所は難しそうです。

もちろんワクチン未接種で、コロナに感染するのは非常にリスキーだと感じます。

実際に非常に高熱で喉が焼けるように痛みがあり飲水すらままならない方は

未接種者に圧倒的に多いからです。

ワクチン接種と(健常者で3回、高齢者で4回セット)+それに加えて実際に感染することでかなりの免疫力をもてるように思います。


ただコロナに罹って免疫力をつけたいか?と問われると、コロナはとにかく今までの風邪やインフルエンザの概念とは違う症状を次々と出してきます。軽症に見えても後遺症として嗅覚障害、食思不信、倦怠感集中力の低下などを続発されている様を見ると

個人的にはやはりかかりたくありません。

全身に分布しているACE2レセプターに悪さをして急死というような異常事態を引き起こしてしまうコロナ。

できればかからないでコロナ自体が弱毒化して、よりよいワクチンの開発、そしてより効果のある抗ウイルス薬の開発を待ちたいと思うのは医者であれば尚更、より知識を深めた方々も同様の思いでいらっしゃいます。


国民がおそらく半分程度かかったくらいでは集団免疫はできそうにはありません。

オミクロン対応のワクチンがどの程度の効果があるのか未知ですので

当面、この高止まりが続き、それに再びBA2,75なる強敵が更なる波を作り

それこそ国民の過半数以上,7割程度が罹れば,新しい株が出てこない限りは

一旦終息へと向かうのかもしれません。


7割というとすごい数です。

1億人くらいがかかるような感じでしょうか・・・。

第7波で3割程度が感染するとしても,これ以上の波がやって来るか,

あるいはもっと小さな波がちょこちょことやってきて

感染者が7割から8割になった時点で,本当に罹りにくい感染症となっていくのかもしれません。

それは一体いつなのか,想像もつきません。

コロナがBA2 .75で終わるのなら第8波は今以上の地獄のような状態とはなるのでしょうが,終息までの期間は後1年程度とも言えるのかもしれません。

ただこうしている今もコロナは変異を遂げていっています。

より弱毒化して感染力が強いオミクロンが出てきた時は,ホッとした気持ちでしたが

結局のところ,最初に出てきたオミクロンよりははるかに重症化して(特に乳幼児で),はるかに感染力が強いものに置き換わっていく様を見ると

もっと怖いものに変わっていく可能性は十分あるんじゃないかと

悲観的にも思ってしまいます。


私は開業医をしておりますので,感染をした場合に10日の隔離期間をとることは

定期受診の患者様方に本当にご迷惑をおかけすることになります。

日々絶対にかかるまいという気持ちでこの2年半過ごしてまいりました。


飛沫感染よりもほぼエロゾル感染であろうと実感しますので

クリニックはいつも大開放とし,エロゾルが滞留しないように留意しています。

それでも患者様とはなるだけ対面ではお話ししないようにし、顔をずらしたり

なるだけ私の呼吸が患者様の顔に降りかからないように,そして患者様の呼気が私の顔に降りかからないようにしています。

最初から注意されていたことですが,いまだに鼻マスクの方が大勢いらっしゃいます。

鼻と口を隠して初めてマスクの効果を発揮します。

マスクの意味を理解し,不織布のマスクを必ず使用すること。

いまだにウレタンや布をされている方がおられますが,

私はお互いのために,そういう方にはクリニックにある不織布マスクをお断りしてすぐにつけていただくようにしています。

鼻マスクの方にはきっちり鼻が隠れるようなマスクをお渡しして

マスクをしていただいております。

私にはアメリカやイギリスのようなノーマスク政策ということには全く理解ができませんので,感染防御はできるだけしたほうがいいと考えています。

たとえ終息に時間がかかろうが

自分が,あるいは自分の大切な人が,幼き子供が,もしそれで命に関わるようなことがあったら・・・重篤な後遺症が残ったら,医療崩壊中に感染し,治療すらしてもらえない状況で亡くなってしまうとか,そんなことにあえてチャレンジする意味はないと思います。

命は尊いものです。


第7波が最後にはならないのでしょう・・第8波はそれ以上かもしれません。

ワクチンは万能ではありません。ラゲブリオも万能ではありません。

でもそれらを上手に使いながらできるだけ感染した時の重症化を防ぎながら

運悪く罹ってしまったら,今ある抗ウイルス薬などで乗り切りたい。

複合的に手をうつしかなさそうです。

現場で働く医師すら状況は読めず,日々実際の大勢の症例から出される論文にしても

終息の時期を明確に詳述しているようなものはありません

ウイルスの動態は未知です。


どうか皆様,できるだけかからぬよう,

できればワクチンは健常者で3回、高齢者で4回をセットで。

特に大流行の時には悲惨な死が起きたりしかねませんから、こういう時に

周りがどう振る舞おうがご自分だけでも身を守ってください。

お願いします。





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